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逃避行

  • 2008/06/08(日) 23:05:59

 昔からの夢を諦めた。その代償は色のある世界だった。
当時まだ若かった私にその挫折は重く圧し掛かかった。
その結果引きこもり同様の生活を送った。
その期間のことは忌々しくとも良く覚えている。
部屋は散乱し、カーテンはほとんど閉めたままだった。
しかし君にとってこの話はどうでもよいのだろう。
目が語っているよ。
君が知りたいのは夢を持ち、全てを手に入れられると錯覚していた愚かな男の話だろう。

 そう言うと目の前の初老の男はぬるくなったコーヒーを飲み干し二杯目を注文をした。
私は男がすんなりと話す気になったのに少々の疑問を抱きつつも男の話に耳を傾けた。

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